ホトケ様たちThe Buddhist Statues — 堂内の諸仏

国宝の十一面観音のほかにも、
渡岸寺観音堂には平安時代の優れた仏像が伝えられています。

胎蔵界大日如来坐像
重要文化財 胎蔵界大日如来坐像 平安時代中・後期 檜材寄木造り 像高148cm

重要文化財

胎蔵界大日如来坐像

檜材寄木造り、像高148㎝、平安中・後期の作。膝上で法界定印を結ぶ胎蔵界の大日如来。胎蔵界の彫像は金剛界に比べ数が少なく貴重な像である。当初は漆箔が施されていたと思われるが現在は剥がれている。

頭上には螺髻らほつを表し天冠台を刻出して地髪には入念に毛筋を刻む。眉間白毫びゃくごうには水晶を埋め込む。半丈六の大日如来としては、わが国でもっとも美しい像でなかろうかとも云われ、名のある仏師の作であろう。

阿弥陀如来坐像
滋賀県指定文化財 阿弥陀如来坐像 平安時代後期 漆箔・檜材寄木造り 像高138cm

滋賀県指定文化財

阿弥陀如来坐像

漆箔、檜材寄木造り、像高138㎝、平安時代後期の作。前後は別材。正面は左右に各一材を寄せて内刳りしている。頭部は差込み、膝前部は横に材をえぐって寄せ、両肩より下に三角材を矧ぎ付ける。

如来像では本来厳しいお顔をなされているのが通常であるが、この像はいたって童顔で親しみやすい表情をされている。お顔の部分が黒いのは、金箔を施す前の工程で止まっており材が尽きてしまったのか未完成の状態である。

令和3年10月30日、本堂から収蔵庫(慈雲閣)へ移されました。→ お知らせ

十一面観音立像(壇像)
滋賀県指定文化財 十一面観音立像 平安時代後期 榧材一木造り 像高39cm

滋賀県指定文化財

十一面観音立像

榧材一木造り、像高39㎝、平安後期(12世紀)の作で壇像と云われる。壇木が入手できなくなったため、日本では榧や檜が使われ、漆で着色されるようになった。

天冠台の最上部に花冠を表し、伏し目がちの穏やかな小さく整えられた目鼻だち、ふっくらと両頬の豊かな丸い相好、全体に細身で、なで肩の穏やかな体躯などが表現され、背面にいたるまで浅く衣文が刻出されている。

獅子と象の獣座
獅子(文殊菩薩の獣座)と象(普賢菩薩の獣座) 木造彩色 平安時代初期
象の獣座
象の獣座

国内最古級

獅子と象の獣座

木造彩色檜材(72㎝)、獅子の台座の上に文殊菩薩が乗る獣座として国内最古級の貴重な像である。筋肉質な肉取り、足の動き、リズミカルで動きの豊かなたてがみの巻き毛、リアルな舌と歯の表現など均整のとれた表現で平安初期の名品である。

一方の象の台座は普賢菩薩が乗る獣座として、国内最古級の貴重な像である。巨大な体躯にたるむ肉のたわみの表現、皮のベルトに食い込む肉の皺(しわ)などリアルな表現に、生きている象の現物を見たことのない当時の日本人の表現力の高さを見ることができる。

金剛力士像 阿形
阿形 像高194cm
金剛力士像 吽形
吽形 像高192cm

滋賀県指定文化財 金剛力士像 平安時代前・中期 榧一木造り

滋賀県指定文化財

金剛力士像(阿形・吽形)

榧一木造り、古色、彫眼、像高 阿形194㎝/吽形192㎝。江戸時代の拙劣な修理のため像容が損なわれていたが、近年の修理により元の面影を取り戻した。

阿形像は開口して上下歯を表し、左手肘を曲げ肩上で独鈷杵を持ち、右手は垂下して掌を下に向けて五指を広げ、腰を左にひねって裳裾もすそをなびかせ右足を踏み出している。吽形像は閉口して両肘を曲げている。左手は腿側で掌を下にして拳を作り右手は掌を正面に出し五指を広げ腹のわきに構え、腰を右にひねって裳裾をなびかせ左足を踏み出している。

翻波式ほんぱしき衣文や渦文を交えた衣文の彫り方は古い様式であるが、憤怒の表情は控えめであり、筋肉の盛り上がりもさほど誇張されず穏やかな造形となっている。平安時代前・中期の数少ない像である。